温泉日記33 稲荷山温泉 杏泉閣(きょうせんかく) 平成13年12月16日更新

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長野県稲荷山温泉 杏泉閣(きょうせんかく) 平成13年12月1日

温泉の三要素:1.湧出量:(毎分)100リットル。2.泉質:硫化水素泉、3.泉温:23.1度。

稲荷山温泉は鎌倉時代允恭天皇六代の孫といわれる白介の翁という人が善光寺如来の夢のお告げで「湯の崎の地」に温泉を発見し浴室を建て近在の人や旅人に入浴させたのが始まりといわれており歴史は古い。

杏泉閣の内湯(男)、外は露天風呂


しかし弘化四年(1847年)の善光寺大地震により湯が止まってしまい以後温泉としては忘れられ、湯ノ崎の地名だけが残っていた。

昭和29年にボーリングにより復活したもので、現在では共同湯としての一面もあり、近隣の住民に親しまれている。

杏泉閣 蔵の町、稲荷山
杏泉閣、右が玄関、左が外湯
稲荷山、蔵のある町並


風呂は内湯と外湯に分かれている。
内湯は宿泊客専用で日帰り客も受け入れている。外湯は源泉の地名をとって湯ノ崎の湯といい、地元の人々が利用する共同湯である。

内湯は男女別の50人ほど入れる大浴場と露天風呂がある。外湯は大浴場のみ。

源泉は400m離れた山裾から地下を通して引いている。加熱してはいるが無色透明、サラッとしたくせの無い湯だ。

北信濃、稲荷山(更埴市)は天正十年(1582年)上杉景勝がこの地方を領有した頃に宿が置かれ、中山道の脇街道、北国西街道(善光寺街道とも言われる)の宿場町として栄えた歴史のある街である。

幕末には繭・生糸の集散所としてこの地方の商業の中心地でもあった。

当時の繁栄の名残は町のあちこちにある土蔵造りの町屋や、水路、水濠の跡に見られる。近年イノウ・ウオークにみられる旧街道ブームにより当地も人気のスポットの一つである。

浴後の散策に宿場の雰囲気を味わいながら「稲荷山宿蔵し館」(Tel026−272−5639)や姨捨山で有名な月の名所の長楽寺などお薦めであるが私は更級そばの元祖「つる忠」に足を向けた。

創業以来250年、名物「おしぼりそば」が目当てである。大根の絞り汁と天然醸造の味噌が織りなす絶妙な味である。(Tel 026−272−1022)

稲荷山温泉地図


長野県更埴市稲荷山571−1電話026−272−1154

入浴料金:内湯500円、外湯350円

時間:内湯AM7:00〜PM11:00

    外湯:月〜土PM1:00〜PM9:30、日祝AM10:00〜PM9:30

宿泊:1泊2食8,800円〜。朝食のみ5,000円、夕食のみ5,800円

交通:しなの鉄道屋代駅から車で10分JR中央線稲荷山駅から5分

車:長野自動車道更埴ICから10分


温泉作家 簾田彰夫()


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