アーサおじさんのデジタルエッセイ72

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第72話 壁のタイマイ


中華料理店の壁に、大きな亀が掛かっている。
天井を向いて、首をのけぞらしている。僕はそれを見ながら皿うどんをすする。
何故だろう。

なぜ海亀(タイマイ)が掛けられるのだろう。
その昔、タイマイは時計屋さんに必ずと言っていいほど掛かっていた。
これは甲羅が鼈甲(べっこう)の材料であり、プラスチックス以前にはメガネフレームの材料であったからだ。
この店には、こんな良い鼈甲がありますよ、というサインだったのか。

そしてワシントン条約で、海亀の捕獲も禁止された。
フレームはプラスチックスが採用されていった。

カリブの海賊?


さらにその昔、カリブの海賊は長い航海で、海亀を捕らえると大事に食べた。
それは海の上では野菜が食べれず、ビタミンCがとれないからだ。
海草を食べる亀自身がその体でビタミンCを届けてくれるのだ。
海亀のスープが海賊の健康を支えたのだった。
僕はカリブの海賊になって、亀を見ながら長崎皿うどんを食べることにする。




            ’◎ノノ◎ 
             (・●・)’
     

     「 また、会いましょう」 2001年9月8日更新


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