アーサーおじさんのデジタルエッセイ500

日本鑑定トップ | デジタルエッセイ目次 | 前に戻る | 次へ進む

第500 十年目


 若い頃、ある人が我々に向かって「何であろうと十年志を貫けば、ひとかどの者になれる」とおっしゃっていた。
「ひとかど」とはどんなことだろう。
 その頃毎日、英語の辞書を持ち歩いていた。
外国人と話したかったからだ。
当時の私は、ファッション写真の撮影で外国人モデルを起用する時、同時に通訳者が必要でありコストが掛かっていた。
「はい、アゴを引いて、もう少し!
そうそう、肘を引いて腰に手をあてて!OK。
では休憩。
午後からもう少し、夏物を撮りますよ」などと通訳してもらう。
ほんとうは直接でないとうまく通じないはず。
でもなんとか、十年もすると確かに通訳者を介する必要はなくなった。
ポーズを指示したりご飯を食べたり、国のことを聞いたりするようになった。
でも片言には違いない。
 さて2000年に始めて十年目になることがいくつかある。
まずスペイン語である。
十年も過ぎると、通訳くらい出来るかと思ったがそうでもない。
そうでもないが喜びはひとつ増えたしスペインに単独遊学が出来た。
じつは英語がものにならなかったので、その欲求不満が、私をスペイン語に走らせたのである。
 そして、このエッセイを毎週書き始めたのも、十年ばかり前である。
エッセイを始める前は、毎日、「時事ジョーク」を書いていた時期もある。
一部をピックアップしてみよう。

<1998年作から>

7・10●「東京湾で釣り舟、鯨に衝突、7人重軽傷」
               「マッコウからぶつかって来ました!」船長
7・10●「香港新空港移転で啓徳空港にお別れ」
               「チャイナら!啓徳空港」
7・16●「小渕恵三外相、自民総裁選に出馬」
               「平成に受け止めています。」小渕氏
7・21●「米国製ゴジラ、日本版と大違い?」
               「細かいところは目を“つぶらや”ならん」
7・29●「カンボジア総選挙、フン・セン氏続投に」
               「フン・セン氏、奮戦し」
8・5●「青酸カレー事件、犯人像を推測すれば」
               「砒素−な過去を、青酸したかったのでは?」
8・18●「性疑惑、迫られるクリントン大統領」
               「かつての異性(威勢)はどこへやら」
8・21●「クリントン大統領、好感度アップ」
               「疑惑をヒラリーと、うまく切り抜けたね。」
9・2●「日本海に北朝鮮のテポドンミサイル着弾!」
               「やはり朝鮮的だなあ」

 うん。

当時の世情が見えてきますね。
 それに引き続いたこのエッセイはどうしようと思いつつ500回。
まあ、やっていればきっと無駄なものはないと思うんだけどなあ。


             ◎ノノ◎   
             (・●・)

         「また、お会いしましょ」   2010年6月25日更新


日本鑑定トップ | デジタルエッセイ目次 | 前に戻る | 次へ進む