アーサーおじさんのデジタルエッセイ450

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第450 「ウイ、キャン、チェインジ」の政治効果


 また、例によって遅ればせの映画を、空いた座席で見た。
キアヌ・リーブス主演の「地球が静止する日(日本公開2008・12・19)」である。
ハリウッドらしく仕掛けは大袈裟であり、宇宙人が人類を攻めて来る。
その理由が、地球環境を守るために人類を抹殺するのだという。
長年観察してみたが、やっぱり人間は地球にひどいことをしているし、今後も変える気がないからだめだ、と宇宙人が言う。

 これで人間の考えや行動が変わるとは思えないが、これに答えて、地球人であるヒロインが「ウイ、キャン、チェインジ!!」と叫ぶ。
あれ?
どこかで聞いたせりふだなあ?
結局このセリフを同じ場面で4回繰り返す。

 オバマ大統領の演説で、頻繁に使われたのが「チェインジ」と「イエス、ウイキャン」だというが、特に環境問題に関しての意見だとすれば、この映画の封切りと、彼の選挙運動期間は重なるような気がする。

 このごろ映画ではプレースメント活動といって、映画の中で広告効果を狙うのが普通になっている。
よく知られるのが、タバコ会社提供の、タバコを吸うシーンの活用である。
この映画でも、追いかける車をわざわざ「ホンダの白」とか区別しているから、あるいは選んだのかもしれない。
「ウイ、キャン、チェインジ!!」は考え過ぎかも知れないが、大統領選挙時には、オバマ氏に対して案外数万票くらいは効果があったかもしれない。

 ※バラク・オバマ氏は2009年1月20日、米国の第44代大統領に就任。


             ◎ノノ◎
             (・●・)

         「また、お会いしましょ」  2009年5月30日更新


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