アーサおじさんのデジタルエッセイ86

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第86話 筆が走る


前回は「外国の話をしない」ような口振りで、筆が走ってしまった。(今、外国にいる方ごめんなさい。)

楽しい外国の話は聞きたいし、したいのは本当だ。僕が言いたかったのは、感受性を研ぎ澄ますことであったはずだ。
その反面教師として、無配慮な「外国話」を批判したのだった。

強い条件下での話を選ぶと、つい感受性が看過されることを心配しているのだ。
それ以外に気を引くことが出来にくくなる危険性を感じていたからだった。
プロレスラーだって、蚊に刺されればお尻を掻く。ポリポリ。
「あー!猪木、コブラツイストに入ります!その前にお尻を掻きます!」というアナウンスなら感受性が高い。

ちっちゃな飛行機


しかし普通は、ない。外国話は、プロレスみたいに強いから解説と報告で終始してしまいがちだ。
「北京の朝は早い。中国4000年の伝統である太極拳を老若男女が興じている・・」なんて???

半袖のブラウスの女子中学生が二人、人の居ない噴水の前で脚をぶらぶらさせながら見詰め合う。

「どうした?結局、その手紙?」もう一人が応える。
「うん。くやしい。だって…あ、ほら!」と空を指差す。
「ちっちゃな飛行機だねえ」「基地からじゃないね」と、セスナを眺めている。

いいなあ、そんな風に話がそれて時が過ぎていく風景は。
僕は強く筋を通さないでも続いていく心理というものを、掴まえていたい。

                  。
             ◎ノノ◎。 
             (・●・)。



「 また、お会いしましょう」2001年12月2日更新


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