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第6話 パブロフのメール


「パブロフ」という言葉を聞いただけで、セントバーナード犬のような大型の気のいい犬の姿が浮かぶ。

 もともと「ロシアの生理学者の名前」に違いないのだが、もう犬の名前としか思えない。「オフ、オフ」と吠える。ベルを鳴らすと嬉しそうに涎(よだれ)を出す。ん、ちょっと悲しい。(※古典的な条件付けの実験で、犬に必ずベルの音を聞かせてから餌を与えるようにすると、ベルの音を聞かせるだけで、胃液が分泌されることが観察される。この有名な現象・実験を「パブロフの犬」と呼んでいる)

 ところで、最近変なことに気がついた。パソコンの画面にカーマイン色、あの熟れたイチゴの「赤い色」が現れると、なにげに嬉しいのだ。そちらに目が行く。そして戻る。何故だろうと思うと、どうも我が社のイントラネットの「Eメール表示」にあるらしい。

 我が社のEメール表示は、四角いアイコンが普段は青いのだがメールを受け取ると、そのイチゴ色とオレンジの2色に輝いて点滅するのだ。急いでやりとりをする時は、それを見詰め、赤く輝く瞬間を待つ。点滅が始まると、その色をしげしげと「味わう」ことになる。もう5年ばかり馴らされて来た。これだ!これが、自分の「感度」に影響を与えたのだ。

 過去に自分が好きだった人の声(に似た人の声)が背後から聞こえたり、後姿の似た人がいたりすると、決してその過去の人がいるはずがない事を知っていても、落ち着かないという現象。これも似ている。 交差点で自分の体が「青信号」より「赤信号」で前へ進もうとしたら、困る。(GOサインはどっちだっけ?)


             ◎ノノ◎
            (・●・)

「では、またお会いしましょう。」 2000年4月5日


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