アーサーおじさんのデジタルエッセイ591

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第591 ライオン神社


 へんなタイトルでしょう。
そんな神社があるという話ではなくて、神社というものの性質についてお話したいのです。
 近所の神社に時々行くことがある。
何個かの鳥居がある。
正確にはいくつあったか?
手前にも、石段の奥の神殿にギリギリまであるはずだから4個くらいはあったかな。
それからたいていの神社には門前の両側に狛犬が高い壇にお供えみたいに乗っかっている。
チョッカイを出した時の怒っている犬のような顔をした唐獅子で、口を閉じた(吽行)と開けている(阿行)のがある。
神殿は手前は拝謁をする建物で、奥に御神体を祭る本殿がある。
 ご近所のものでもかようであるくらいだから、お伊勢や富士山の浅間神社ともなれば大変である。
何キロも手前の鳥居からは拝殿は随分と遠い。
その間に結界や清めの手水舎、様々な付随する建物や石段があり、神殿に近づくにつれ厳かな空気が醸し出される。

 子供の頃はそういう形式ばった厳格さから解放されているので、大声をあげながら神社の周囲を走り回って遊んでいた。
奉納殿や絵馬殿で鬼ごっこをしたり、神殿の床に隠れたりしていたと思う。
 ところがうやうやしく近づく神殿ではあるが、ご神体というのは、裏側はまるで無防備である。
子供は知ってか、知らずか、神殿の裏側でごそごそと遊んだりしている。
彼の寄り掛かっている壁のすぐ近くにご神体はあるのである。
せいぜい数メートルだったりする。
たまには出前のスクーターが止めてあったりするではないか。
神社はいつも前には厳格で権威的だが、背後は板一枚なのだ。
これは権威的な世界の典型でまことにライオン的である。
 大企業の会長など、紹介されても近づき難いけれど、バーのホステスからは「なに言ってんのよお!」。
ペチ!などと頭を叩かれて喜んでたりするではないか。
獅子はすごいタテガミで恐ろしいが、後ろはまるで無防備のお尻を持っている。
そんな感じである。

               
             ◎ノノ◎
             (・●・)
               

         「また、お会いしましょ」   2012年5月26日更新


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