アーサーおじさんのデジタルエッセイ397

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第397 アイアム・レジェンド


  世の中で何かを為した人、何かの世界でトップにいる人しか見ない風景がある。どんなものだろう。
天国のように美しい花園と天女に囲まれる風景だろうか。そうではないようだ。
 それは、荒涼としたひどく混乱する地平線しか見えない風景である。
 まるで、知識もガイドも与えられず地上に降り立ったエバンゲリオン。
そうえいえばイエスが降り立ったのは、時代に西暦年号のまだ存在しない世界であった。
独創的で前例のないひとつひとつの言葉に誰も頷いてくれず、明日は「迎合しよう」かと、くじける日々であった。

しかし、朝の光が降りて来ると、おそらくそこに何かを見た。
いや、考えの通りにやってみよう。
そう思って、人びとを説き始めたのだ。
そう、彼の手には「読めばそれでうまくいく有難い」聖書が存在しなかったのだ。
 私たちも本当に何かを独自で見出し、それを意識して求めるときには、地平線以外何もない。
前方に「道」が出来る以前の風景を見るだろう。
道を歩くことは大事だが、時には胃が痛むほど寂しくても、道がない大地を歩むことがあるのだ。

             ◎ノノ◎。   
             (・●・)

         「また、お会いしましょ」  2008年2月10日更新


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