アーサーおじさんのデジタルエッセイ360

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第360 セカンド・ステージ


 銀座を歩いていると、学校時代の旧友に会った。
夕方であったので近くの店で一杯のビールを飲むことになった。
あちらは若い時期に独立して自営。
こちらは最終まで会社勤務の予定である。
だが、まもなく勤務にも最終の時期が来るころなので、考えなければならないことも多い。
本当に何かやろうとすればなんとも時間はない。
自営だと、そんな境界線があるわけではない。
自然の体力の変化が仕事人生の変化でもある。

そのうちに彼が言う。
「サラリーマンはいいねえ。定年があって」 
もちろん、今は昔のように年金生活で「悠々自適」というわけではないのを彼は知っている。
でも、働かなければならないのだよ、と言うと。
「もう一度。違う人生を送れるからね」と言う。
 違う人生、か。
 ライフプランの著書が沢山ある青木羊耳さんは、定年後の準備をしている頃、60歳を超えたら、全く新しい人生のネットワークに切り替えようと思って、それまでの人脈を一切使わずに動く計画を立てた。
そのために60歳以降の活動では「羊耳」という新しい名前を使用した。
年賀状の宛名が2種類になった。
65歳の時に、会社での名前への賀状よりも新たな宛名の枚数が超えた。
現在は7:1だと言う。
キャリアとかなんとかいっても過去は磨耗するものだ。
しがみついても七分の一に減ってしまう。
 違う人生、か。と旧友からのことばの重みを受け取る。

             ◎ノノ◎。
             (・●・)。

         「また、お会いしましょ」  2007年5月13日更新


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