アーサーおじさんのデジタルエッセイ352

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第352 ヴァンパイヤ・デビュー


  あなたは、あなたの恋人が吸血鬼に首を咬まれて、その夜からあのヴァンパイヤになってしまった経験を持つだろうか?
それは近年、いたるところで発生しているらしい。
 昨年に私はインフルエンザの予防注射などしてしまったので、この冬は大手を振って街を歩いたものだ。
しかしながら、ある数日の冷え込みで満員電車の中でも咳の声を聞くようになり、友人が空咳をしていて、自分にものどの不調がやってきた。
まあ、随分安全だったほうだろう。
数日が無事に過ぎた。
 しかし、目が痒く、ぐずぐずする。
くしゃみもまだ残る。
もう風邪は治るはずなのに。
それを人に話す。
聞いた女性が嬉しそうな顔をする。

「それは風邪じゃない」
そして「花粉症の世界へようこそ!」と手招き。
違う、そうじゃないんだ!
僕は原始人だから、花粉症なんかじゃないんだ。
「みんなそう言う。都会暮らしが長くなるとある日突然、桶に水が満タンになるように花粉症の体になるのよ。もう仲間入りね・・・ふふ」
 そうじゃない。
君は僕を知らないんだ。
もうすぐ治るさ。と数日。
目は変。
体はだるい。
ああ、日中の外出が出来ない世界に入るのか。
そう、ある日から、夜の闇が明るく魅惑的な世界に変わるヴァンパイヤの体質に自分も変わるように・・・マスクが美しい小道具に見え、くしゃみが心地よく聞こえるのだろうか。
「風邪が抜けないなあ」と言う仕事仲間に、「その時期が来たね。花粉症の世界へようこそ」と、いつの間にか、私も微笑しているのだった。


             ◎ノノ◎。   
             (・●・)。

         「また、お会いしましょ」 2007年3月17日更新


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