アーサーおじさんのデジタルエッセイ342

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第342 手の形


 とある小さな博物館で道具に関するVTRを見た。
なんだか面白い説明に遭遇して、あわててポケットにあったレシートの裏にメモをした。
ポケットのどこかを探れば、いつもレシートの一枚は出てくる。
こんな小さなパピルスでも、小さな人生には大きな影響を与える文化ツールであり得る。
そう、このささやかなパピルス文書は後々の重要な情報源となるだろう。
 会社でポケットに手を突っ込むと忘れていた「メモ」が出てくる。
あ、面白いとふたたび思う。そこでそれを再現してみることにする。

 話はこうだ。
日本のタバコ文化で登場する「煙管(キセル)」にはしぐさの文化があるという。
使用する人の職業によって柄の握り方が決められていたという。
それを絵に描いて再現しよう。
 図の上から、キセルの雁首を握るのは「農民」。中ほどを握ると「職人」。
そして鉛筆を持つように筆握りをするのが「商人」なんだそうだ。
そういえば、別に江戸時代に生きていたわけでもないのになんだかそんな気もする。親爺のごつごつした腕。
しわの入った顔。
ユラユラと上がる紫煙が目に浮かぶ。
落語ではこれを使い分けると職業まで表せるということになる。
面白い。
こうやって、全体として膨大なしぐさの文化があるに違いない。
政治的なお仕着せではなくとも、ぼくらはそういうサインに随分と言葉の代わりをさせているのだろう。

             ◎ノノ◎。
             (・●・)。

         「また、お会いしましょ」 2006年12月31日更新


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