アーサおじさんのデジタルエッセイ275

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第275 髪のチカチカ トラックの背中


今朝の電車で扉の付近から座席の方に進めない。

上を見ても掴まるものがない。

足場も動かないので揺れるとそのまま倒れてしまう。

あれよ、と斜めになると若い男の肘で思い切り押し返された。

いやだなあ。

足の位置と体のスペースが一致しないから倒れるのだ。

仕方がないのだ。顔の前に女性の髪。

髪がふわふわ扇風機に揺られて、目から下の顔面をくすぐる。うわ、くすぐったい。いやだなあ。

彼女がときどき頭を振る。

うっ、やめてください。と、言いたいが車内で騒ぐのは得策ではない。

手が押されてお尻に密着する。これも危険である。

なんとしてでも腕を上げたいが、上げた先に掴まり棒もないと妙である。

もっといやなのは、プロレスラーみたいにでかーい男に密着する時。

彼が自然な流通を防ぐので身動きが取れない。

さらに、顔の前にその背中が来るときは全く腹が立つ。何も見えない。

彼のせいではないと言え、なんで、顔をその背中にガシガシ当てなきゃいけないのか。

息も苦しい。

高速道路で前のでかいトラックに追突してしまったように、視界はなくなり、動きが拘束される。

朝から悪夢のようである。

            

             ◎ノノ◎
             (・●・)

         「また、お会いしましょ」  2005年8月14日更新


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