アーサーおじさんのデジタルエッセイ173

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第173話 霊界通信


お盆というのは、祖先の霊がこの世の帰って来る時期だそうだが、本当に変化の激しいこの頃、たまに帰るのではよく分からなくて大変だろうなあ。

昨日の電車なんかどう思うだろう。夏休みのせいか随分すいているのだが、それでも吊り革にやっと並べる状況であった。

周りは女性が涼しげに肩を出して、携帯メール文など打っているようだ。僕は自分の駅についたので下りようとしたのだが、誰も動いてくれない。その瞬間の異様な感じ――

『ふうん。さすが、お盆なのかねえ。若いひとたちも電車の中にお位牌を持ち込んでいるんだね。感心というか、不思議というか。ピンクや銀色のお位牌。

じっとうなだれて、真剣な顔つきでお位牌の文字を見つめていた。悲しいのか小刻みに親指が震えていたよ。お位牌も変わったね。

戒名が動いていたようだが、あれは沢山の戒名が並んでいるのだろうね。』

と、祖先の霊が語っているだろうか。

僕はその動いてくれない彼女達のお位牌をなぎ倒しながら出口に突進しのだ。

「うるさいな」という顔をされながらやっと出ることが出来たというわけだ。

             ◎ノノ◎
             (・●・)

         「また、お会いしましょ」 2003年8月14日更新


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