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日本で出版されたレオナルド・ダ・ヴィンチの美術書を紹介します。(2006年6月24日更新)

レオナルド・ダ・ヴィンチの美術書は、過去に刊行された各美術全集などに数多く収録されています。美術全集は刊行が終わり品切れになると大半は絶版になり、入手が困難です。また、大型本であるため古書としてもあまり流通しないので、入手は困難なのが実状です。
そこで、古書として比較的流通し、入手がしやすいレオナルドの美術書を中心に紹介します。古書は、手にとって見てから入手することが難しいので、独断と偏見で評価の星(★)を付しました。

1.レオナルド(Leonardo La Pittura)
カルロ・ペドドレッティ他著 久保尋二監訳 ブックローン出版  1979(昭和54)年9月1日発行 225頁
レオナルド・ダ・ヴィンチの絵の複製では最もすぐれたもです。その後20年以上経てもこれほど美しいものにはお目にかかったことがありません。本の奥付に価格は書いてありませんが、当時100,000円前後の高額本だった記憶があります。数年に一度は古書目録に出てきます。古書価格は10,000円前後で、一番のお薦め本です!
ブックローン出版のこの企画は次いで「カナロット」の刊行で終わってしまいました。現在でもこれほどすぐれた美術複製技術を駆使した美術書はなかなか手にすることはできません。
評価…★★★★★

2.レオナルド・ダ・ヴィンチ素描カタログ(ウィンザー城王室図書館蔵)
裾分一弘他訳 朝日新聞社・西武美術館 1985(昭和60)年3月9日発行 95頁
植物、風景など自然を主としたカタログです。レオナルド・ダ・ヴィンチの展覧会カタログには解説及び複製技術ともに、とてもすぐれたものがあります。カタログですから定価の記載はありませんが古書価格は1,500円前後です。
評価…★★★★★

3.レオナルド・ダ・ヴィンチ最後の晩餐展
裾分一弘他訳 西武美術館・朝日新聞社 1986(昭和61)年10月10日発行 155頁
最後の晩餐に関する様々な素描を紹介。古書価格は1,500円から2,000円前後です。
評価…★★★★★

4.レオナルド・ダ・ヴィンチ人体解剖図(女王陛下のコレクションから)
高杉彬監訳 同朋舎出版 1995(平成7)年6月10日発行 定価4,800円  143頁
東京都庭園美術館で開催された解剖図展覧会カタログの出版物。今までの解剖図ではもっとも美しい印刷です。近年、オリジナルを見ることができる唯一の展覧会でした。
評価…★★★★★

5.知られざる科学技術者 レオナルド・ダ・ヴィンチ展
 東京ステーションギャラリー 1998(平成10)年8月1日発行日172頁
機械工学的な素描を、復元模型とともに紹介。古書価格は1,500円から2,000円前後です。この展示会は全てファクシミリ版でオリジナルは1枚も展示されなかったのが残念でした。
評価…★★★★★

Baptism of Christ (The engel on the left painted by Leonardo)

6.レオナルド・ダ・ヴィンチ(世界の巨匠シリーズ)

三神弘彦訳 美術出版社 1975(昭和50)年3月31日発行180頁
原色図版48葉、単色図版91点と豊富なのが特色。但し、きれいな複製は少ない。
評価…★★

7.眼の中の宇宙(レオナルド・ダ・ヴィンチの世界)
イタリアルネッサンス探訪-その1
カルロ・ペドレッティ他解説 月光荘ミュージアム刊 1987(昭和62)年4月発行105頁
原色素描64葉、美術素描からアトランティコ手稿の機械素描に至るまでたくさんの素描が印刷されている。きれいな複製も比較的多い。カルロ・ペドレッティの解説がすぐれている。
評価…★★★

8.レオナルド・ダ・ヴィンチの素描(版画と素描シリーズ)
裾分一弘編集解説 岩崎美術社 1986(昭和60)年4月15日発行83頁
単色素描60点、グレースケールであり、きれいな複製は少ない。但し、作品解説などはすぐれており、素描の入門書としては最適。定価2,800円(税別)
評価…★★★

9.レオナルドと絵画(レオナルド・ダ・ヴィンチ双書)
裾分一弘、在里寛司共著 岩崎美術社 1977(昭和52)年4月20日発行204頁
単色絵画71点、グレースケールであり、きれいな複製は少ない。但し、作品解説などはすぐれており、絵画の入門書としては最適。定価3,500円(税別)
評価…★★★

10.知られざるレオナルド
ラディスラオ・レティ編集、裾分一弘他訳 岩波書店 1975(昭和52)年9月25日発行322頁
挿図850点、原色が多数あり、みごとな複製が多い。解説は今までで最もすぐれており、レオナルド・ダ・ヴィンチの入門書としては最適。画家、騎馬像、音楽、築城、機械と兵器、絵画論、時計、水と石の力学、レオナルドの遺稿、レオナルドの言葉など、レオナルドの宇宙を第一人者が解説した名著。定価12,000円(税別)
評価…★★★★★


11.レオナルド・ダ・ヴィンチ 芸術と科学
カルロ・ペドレッティ序、ルカ・アントッチャ他執筆、ラーン、大原三恵訳 株式会社イースト・プレス 2006(平成18)年4月25日初版第1刷発行 143頁
芸術家で科学者でもあったレオナルド・ダ・ヴィンチの生涯、絵画手稿、解剖学、科学と技術について図入りで分かりやすく解説。年譜付、定価2,200円(税別)
評価…★★★


12.レオナルド・ダ・ヴィンチが残した宝物
マシュー・ランドルス著、春宮真理子(ハント・ヴェルク)訳 トランスワールドジャパン 2006(平成18)年5月27日初版第1刷発行 66頁
手稿の表紙や人体図など素描のレプリカが30点付録として付いている。本文内容及び付録の色再現はかなり劣るが、ダ・ヴィンチマニアには手にとって楽しい一冊。定価4,800円(税別)、但し製本が杜撰で開くと裏紙が剥がれたりするので、取扱は丁寧に!
評価…★★


日本で出版されたレオナルド・ダ・ヴィンチの本(雑誌を除く)の大半を紹介できるように現在、作業を進めています。お楽しみに!

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