アーサおじさんのデジタルエッセイ93

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第93話 ハリー・ポッターの箒


公園の壁の落書きを消す運動がある。真っ白なペンキを一様に塗る。みんなの公園として管理するにはこれが適切である。

しかし、壁の「個性」に対しては"人権"無視である。

僕はしばしば、街の中の油染みや薄汚れのある壁に見惚れることがある。

美しい。

そこには様々な環境の影響や時の経過を映し出した歴史が一枚の絵になっている。

それは単なる壁がもはや人格を手に入れ、名前を持っているように見えるのである。

こういった均質性ではない不完全さの中に、生きている個性と証しがある。

誰にも均質ではない『病気』にも『苦悩』にもそれがある。

人を愛すことは、たぶんこの不完全さを愛すことである。

夢の翼に


新聞に映画「ハリー・ポッター」の広告がある。メインの写真は一本の箒である。

魔女の箒である。

その箒はぐねっと曲がっている。

これがこのお話しのシンボルである。

箒というものは柄が曲がっていては売り物にならない。

木の中から真っ直ぐな部分を切り取って加工するはずである。

売り物の箒としては使い物にならないとも言える。きっと別の使い道をするのだろう。

だから、これが現しているのは、何か"特別"であるということ。

この箒が"生きている"とか "意志"があるということである。

「あたしゃ、言うこときかないよ」と言ってるんであろう。

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     「今年も、楽しく過ごしましょ」 2002年1月18日更新


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