アーサおじさんのデジタルエッセイ77

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第77話 空中のタイタニック


110階のビルが、ぼろぼろに崩れ、ピシャンコ!になるというのは、まだ僕の頭の中で整理がつかない知らせである。

さまざまな情報をアタマに組み入れる。

12日の新聞では、スペインのEL PAIS紙が、2頁のグラフィック内でその図解をしていた。2重チューブ構造の壁が破られ、重みに耐え兼ねた床が下に崩れていく。

しかし、チューブというより針金細工のようだ。

銀座の近所の工事中のビルを見ると、鉄骨は階ごとに溶接されている。マッチ棒をつないで積み上げ、それを110層にしたようなものかもしれない。

その1層ごとに床を張り、しっかりと荷物を乗っけていく。

例えば、マッチ棒を5センチとすると、これを110回つないで、110層で5メートル50センチのビル。各階に500グラムを乗せると

、全部で55キログラム。これがマッチ棒に乗っている。

砂上の楼閣

運動会で人の塔をつくるマスゲームがある。

これは誰かが壊れると、全員が壊れる。途中だけが壊れて立っているということはない。

高校の頃、この一番上に立ったことがあった。

誰かが揺れた。

僕は何メートルもの地上に落ちた。

思いきり肩を打った。

今、その痛みを久しぶりに思い出した。


             ◎ノノ◎ 
             (・●・)
              

   「 また、お会いしましょう」 2001年10月7日更新


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