アーサーおじさんのデジタルエッセイ381

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第381 悲しき


 中国の奥深くの都市で、イベントがあった。
その昔は黄色い砂の舞う幻の街であったかもしれない。
ともかくも知人がそこに行った。
彼はそこで講演もする予定であったから、現地の学者がいろいろと世話を焼き、親切な案内をしてくれた。
さて、様々な飯店、料亭で歓待を受けたが、最後の夜は「ちょっと面白い店」に行きましょう、ということになり、某K国の看板の飲み屋に行った。
美しい女性たちは、純朴でまぶしかった。
こころの襞まで真っ白のようにも思えた。

 同行の仲間が、感じるところがあったのか「総書記に会ったことはありますか?」と訊ねた。
そうすると、静かに目を閉じ、胸にその白い手を当てて、「いつも、夢の中でお会いしています」と答えたそうだ。
 これは「彼女の真実」ではないだろうが、「彼女の立場の真実」を物語るようだ。
 私たちサラリーマンは、業績主義の思想の中で、頭の向く方向を定められている。
今期はどう考える?という問いに、「20%のアップを考えています」「新領域を開拓します」「このサービスをより質の高いものにします」と力を籠めて答えているかもしれない。その必要が「自分の真実」の中に、あるかどうかは考えない。

             ◎ノノ◎。
             (・●・)

         「また、お会いしましょ」 2007年10月14日更新


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