アーサーおじさんのデジタルエッセイ37

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第37話 カンブリアの鉛筆


 柳の枝を高温で蒸し焼きにすると、細い木炭ができる。15センチ程に切って、デッサン用の「木炭」が出来あがる。市販の物でも、一本一本微妙に違う。これを2本の指で優しく掴み、右腕を伸ばして木炭紙にデッサンする。紙はフランス製のものが最高である。

こういう風に本物の画材は自然素材が多い。東武美術館で、地下に埋まっている天然の炭素の結晶である「グラファイト」という言葉にぶつかった。

イングランド北西部、カンブリアのボロウデール地方に鉱脈があり、純粋な半結晶として発見された事が1573年の記録に残っているという。これは適当な塊に刻まれ、画家のデッサンに使用される。

ヨーロッパに輸出され消費された。しかし19世紀には掘り尽くされた。

18世紀には英国から輸出禁止となる。ドイツ、オランダ、スペインでも鉱脈が発見されたが、質が悪い。仕方なく砕いて精錬して固め、丸くした杉材の細長い穴に流し込んで使った。"鉛筆"の誕生である。

 こうして僕らの鉛筆は生まれ、今はシャーペンになっている。地下から掘出され芸術家のデッサンの線となったグラファイト。その鉱脈は想像することしか出来ない。

             ◎ノノ◎
            (・●・)

       「またお会いしましょ」   2000年11月30日


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