アーサーおじさんのデジタルエッセイ369

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第369 第三項の発見


  世間では重要でもなんでもないけれど、私の人生では自分の課題としていることがあります。
それは、芸術行為に近いものですが、そういう芸術になる前の「原始的な状態の世界」といったものを知ることです。
 どうしてそれが重要かというと、うーーん、どうしても重要なんです。
 第三項という名前は、たぶん誰かがそう名付けていたのだと思いますが、分かり易く書いてみましょう。
第一項というのは、まず人間が存在する前のとやかく言わない本来の世界、第二項というのは、誰かが考えた、しきたりや文化や思想によって出来上がった伝統的・政治的な世界観。第三項は、一から二を引いた残りの世界。
第一項は大きすぎて、実際には見えない感知できないと考えますから、私たちは第二項に頼って生きている、あるいは第二項で身を固めて自分を守って生きているのです。
 武士の世界など第二項でガチガチです。
恥だとか、許せぬとか、武士の一分だとか、腹切って見せるとか、殿にいやなこと押し付けられても「ははー、ありがたき幸せ!」とか言わねばならない世界です。

「家のために身を捧げるのじゃ」といったら、「家」って何ですか?などと言ったら殺されます。
でも、チンパンジーには「家のため」なんてなくて、木の上の家しかないのです。
 さっき芸術行為と言いましたが、既に認められた過去の芸術は第二項に入るのです。
まだ決して認められない世界だけが、第三項であり、この実現が「芸術行為」です。
そして、世間が「なんじゃ、これ」と驚いたあと、やがて「芸術」と呼ばれます。
だから正確には芸術は、第二項芸術と、第三項芸術に分かれます。
そして川のように流れて変化しています。
かつて第三項の発見であったものは、やがて第二項の権威となり美術館に入ります。
そう、すべての芸術はかつて第三項だったのです。
これについて書くと長くなるので、このへんにしておきます。
単なる「絵」を描く行為は芸術でなくて、美術です。分かりにくくてごめんなさい。

             ◎ノノ◎。
             (・●・)

         「また、お会いしましょ」  2007年7月15日更新


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