アーサーおじさんのデジタルエッセイ330

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第330 並んだ傘


 小学生が傘を並べて歩いている。
随分カラフルな傘の行列である。
青、緑、その中間の緑青。
その下にはランドセルが隠れている。
私たちもあんな時代があった。
私の頃は男の子の傘は真っ黒ばかりだった。
そういえば、あの傘の差し方はどうだ。
兵隊さんの銃を肩に担ぐ時のように、傘の柄を肩に乗せるのだ。
肩の上だとくるくる回すのに便利である。
ああしている大人はいない。

何かルールがあったか?
「大人になったら、傘は片手で前に立てて支えなければいけない」と言われた覚えはないなあ。
何歳になるころに変わったのか。
私たちは大きくなると失うものがある。
あの傘の差し方も失ったのかもしれない。
 友人がこう言う。子供は自分だけが傘に入るからいいんだ。
大人は人に差してやれるようにその半分を空けるのだ、と。
なるほど大人になるとはそういうことかも知れないとも思う。
でも、もう濡れている他人にその半分を貸す光景は見かけなくなった。
コンビニに駆け込んでビニールの傘を買い、雨がやむと、捨てる。
便利さが人の関係も変化させてしまうかもしれない。
大人になると失うものがここにもある。

             ◎ノノ◎   
             (・●・)。

         「また、お会いしましょ」 2006年9月30日更新


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