アーサーおじさんのデジタルエッセイ25

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第25話 やっと、こんにゃく美術館 


 幼児が絵を描くのは楽しそう。ラスコーの洞窟に古代人がちょこっと落書きをするようなものだろうか。そのこと自体が日常の必要な行為とは違うから、楽しいのだ。
 それに比べて大人には、決まり事が多過ぎる。絵を習いたいという人が、どうしたら「上手く」なれるの?と考えるようだが、それって、受験の対策みたい!まあ、毎日仕事でストレスだらけなんだから、この際、基準から 外れたらいいのに。

 「良い絵」というものは、まだ誰にも描かれていず、自分にしか描けないものを探すこと。だからその基準で言えば必ず「1番」になれるんだ。ゴッホが誰かに「ねえ、僕って上手かなあ?」って訊いたとは思わない。
 ムンクが「僕の絵、ちょっと暗いから直さなくっちゃいけないかどうか、誰かに相談しよう。ピカソかマチスが偉いからいいかなあ」なんてあり?
 美術館がときに心に沁みるのは、この凝り固まった頭をズンと「本当の視点」で射るからなんだ。

そんな風に、様々な絵画を見ることは脳の隅々の"頑固なヨゴレ"のお掃除になって、すーっとする。印象派、前衛絵画、狩野派、シュールレアリズム、野獣派、リリシズム、アカデミズム。僕にとって「絵の鑑賞」は「胃腸におけるこんにゃく」のように「思考におけるこんにゃく」である。
というわけで美術館は僕のこんにゃくなのであーる。

             ◎ノノ◎ ♪
            (・●・)         

          「来週は、お休みです」         2000年8月31日


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